ソニーなどで海外営業に30年携われてきた原田さんに、海外代理店選びで最も心掛けた方が良いポイントをお伺いしました。
・ソニーなど海外営業30年以上の原田さんのご経験
・海外代理店選びで最も大切なのは、エンドユーザーの情報を入手できるか
・中国や韓国、香港での海外代理店営業の実態
---改めて原田さんのご経歴を教えてください。
新卒でソニーに入社し、約30年勤めました。その後、家電メーカーであるツインバードに転職し、海外部長を勤めました。そのあと、パネフリ工業に入社してここでも海外営業をやっていまして、現在はフリーランスとして企業の海外支援をやっています。
実は、この4月からジェトロの業務従事者(パートナー)を務めることになったので、もっと日本企業の海外展開をサポートしていきたいですね。
---今までどういった商材をどんな国に販売されてきたんですか?
ソニーの時は本当に商材も国も幅が広かったですね。平たく言えば、テレビ、オーディオなどのAV機器を販売していて、シンガポール、香港、フィリピンの3か国で約8年駐在していました。その後、パソコン機器デバイス系の事業部に異動して、アジアと中南米を担当しました。アメリカに5年駐在しながら中南米地域の責任者として、セールス、マーケティングのみならず、サービスやロジスティクス含めて包括的にビジネスを網羅していました。
ツインバードでは、クリーナー、ハンディスチーム、ヘッドマッサージャーといった商材を中国、台湾などに販売していました。
パネフリでは、B2Bという新しい領域にもチャレンジすることが出来ました。タイに法人があったのでタイ周辺のベトナム、マレーシア、インドといった地域の代理点販売店の新規開拓をやっていました。3社とも異なる商材でしたが、海外営業のノウハウ自体はどんどん蓄積されてきた実感があります。
---たしかに30年もやってたらすごい経験値ですよね。そんな中で、海外代理店開拓に焦点を当ててお話をお伺いしたいのですが、具体的にどうやって開拓したのかお伺いできますか?
もちろんです!一つ例を挙げると、ツインバード時代に新規開拓をやった際のお話をしますね。元々中国は市場が大きいだろうという見込みがあって、当初中国販売に力を入れたいと社内では考えていました。
ただ、一つ難しいところがあって、中国ってとてつもなく広いんですよ(笑)。だから、たとえば流通網に沿って色々な地域に販売されるので、実際にお客様が商品を使っている様子を確認することが難しいんですよね。だから、お客様が商材についてどう感じているのか、どう使っているのかわからない。
これだと、なかなか販売のPDCAが回せないんです。結局、香港で新規開拓をした際には、ソニー時代に親交のあった代理店さんと連携をとって販売のPDCAを回せるようにしました。現地の競合の価格や売れ行き、店頭での様子などの情報を定期的に共有してもらっていました。
---ありがとうございます。今のお話をお伺いすると、実は一番大切なのは、販売のPDCAを回せるかどうかになるということなんですね!
本当にその通りです。日本企業はものづくりの精神が強くて、顧客起点で販売のPDCAを回す仕組みづくりが世界に比べて遅れていることがあるんですよね。
まずは、現地代理店の先にいるエンドユーザーのお客様のニーズを正確に汲み取れるかが肝心です。代理店選びにおいても、お客様や競合の情報を共有してくれる相手とパートナーを組めれば販売のPDCAが回せるようになります。海外代理店をこれから開拓するという時には、エンドユーザーであるお客様の情報が入ってきやすい市場、海外代理店を見つけるべきですね!
---ありがとうございます。そのためには信頼関係をしっかり構築してくことが大切ですよね。信頼関係を構築する上で気を付けていたことも教えてください。
お互いのビジョンをリスペクトできるかどうかが信頼関係構築では欠かせません。日本のメーカーにとっても、会社の方向性としてのビジョンがあり、そして商品のこだわりが必ずありますよね。
現地の代理店さんもビジョンやこだわりのあるポイントを持っています。そういったビジョンをしっかり共有しお互いがフィットするところと組めば、信頼関係に繋がります。信頼関係が築ければ、エンドユーザーの現地のお客様の情報も共有してもらえますし、海外販売のPDCAがしっかり顧客起点で回せるようになりますよ。
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