インドネシアでの海外営業経験10年以上の池田さんに、代理店開拓のリアルな実態をお伺いしました。
「文化の違いを乗り越えて!」海外代理店との効果的なコミュニケーション術
海外市場に進出し、現地の代理店と成功したパートナーシップを築くために最も重要なのは、信頼と理解に基づいた効果的なコミュニケーションです。しかし、その道のりは一筋縄ではいかないことが多いものです。特に、文化や商習慣が異なる国々での代理店との関係構築は、計画的かつ慎重に進める必要があります。
ガラス・セメント・アルミなどの高温産業向けのビジネスにおいて海外代理店開拓を経験した砂原さんは、まさにその苦労を乗り越えてきた実践者です。今回は、砂原さんの具体的な事例をもとに、文化の違いを乗り越え、信頼できる代理店を見つけ、強固なパートナーシップを築くための実践的なアドバイスをお伝えします。
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砂原 孝祐 さん
1. 異文化コミュニケーションの壁を乗り越える方法:砂原さんの苦労と対策
異文化コミュニケーションの壁は、特に中南米市場で顕著に現れました。現地の代理店にとってはメールでのやり取りが日本ほど頻繁でなく、返信が遅れることが多かったそうです。
そこで、砂原さんは案件が動いている時はほぼ毎日、直接の電話やオンラインミーティングを頻繁に行い、顔を合わせてコミュニケーションを取るようにしていたそうです。こうしたアプローチにより、信頼を得ることができ、代理店との絆が深まりました。
このように、砂原さんは相手の文化に合わせてコミュニケーションスタイルを変えることによって、商談を円滑に進めることができたのです。
また、海外顧客からの引き合いがあった際に見積提出などの回答をもらうまでは催促を何度もしてくることがある一方、その後のフォローのためにメールをすると一切回答がこないようなことは日常茶飯事だったそうです。そういう意味で同じ方向を見て一緒に仕事ができるパートナーは貴重になるので、代理店との信頼関係構築は最も重要な鍵でした。
2.日本企業が気を付けるべき日本の文化とは?
砂原さんは次のように語ってくれました。
「日本企業への理解や自分の会社の価値観と合う会社を選ぶ必要があります。それが私たちの場合は品質(製品、施工、サービス)を大切にするという事でした。また、日本企業は往々として意思決定が外国に比べて遅いです。そのため、新しいことを始めようとすると社内調整に時間がかかるため、そこにに理解のある会社であることが必要になります。または権限がありリスクをとって進められる人間をアサインする必要があると考えています。」
そこで、砂原さんはどの国の代理店にせよ、いつまでにどのような意思決定が必要かの認識合わせは必ずするようにしていたそうです。これがずれているとパートナーの意思決定とのタイミングにズレが生じて後々揉めることにも繋がります。
また、品質や意思決定のスピードだけでなく、ビジネスへの向き合い方も日本は特徴があります。
「安くても売れれば良い、自分が儲かれば良いと考える会社とはお付き合いすべきでないと考えています。そういう部分で選ぶともっと儲かる会社・製品が安い会社に乗り換えられてしまう可能性があるからです。もちろんビジネスですのでお金儲けは大前提必要ではあるものの基本的な価値観がズレると中々ビジネスはうまくいかないと個人的に考えています。」
このように、日本企業が海外販売する時は日本の文化を当たり前と思わずに、自社の文化を客観視しつつ、そこが共有できるパートナーと組むのが長期の信頼関係につながりますよね。
3. 交渉術:文化の異なる代理店側に魅力を感じさせるには?
代理店契約の際、砂原さんが実践したのは「パートナーシップとの価値観をを最初に共有しつつ、細部は柔軟に適宜変更すること」でした。契約時に最も重視したのは、代理店にとっても利益が出るような内容を提供することです。
砂原さんの経験では、最初から一定のエリアを代理店に任せる契約を結び、その後で実績に応じて範囲を広げたり、マージンをあげたり、独占契約にしたりといった代理店のモチベーションを上げていくという戦略が功を奏しました。これは、代理店側が最初にやることが明確になり、モチベーションも高まって、結果的に営業活動が活発になったからです。
「代理店にとっても十分に利益を上げられる内容を提供することで、相手も積極的に動き、売上を伸ばすことができました」と砂原さんは言います。
さらに、契約交渉時においては、現地の商習慣に合わせて販売のやり方も柔軟に変えられるようにしました。最初に条件を詰めすぎることが信頼を損ねる場合があるため、まずは双方が納得できる範囲での信頼関係構築を優先したのです。
4. 文化の違いを理解した上でのフォローアップがカギ
「文化の違いを理解した上でのフォローアップこそが、信頼関係を長期的に維持するための鍵です」と語る砂原さん。代理店との関係を築くために、最も重要だったのは「定期的なフォローアップ」でした。
砂原さんが代理店と関係を深めるために実践したことは、毎月の進捗報告を必ず行い、進展がない場合でも「何かサポートできることはないか?」と尋ねることでした。代理店側が足りていないことを聞き込み、メーカー側としてその部分を徹底的にサポートするようにしていたそうです。
また、現地に出張した際は、現地スタッフと食事を共にし、カジュアルな会話を重ねることによって、さらに信頼を深めることができました。
「商談後も必ずフォローアップを行い、進捗を一緒に確認しながら次のステップに進むことが、結果的に長期的な成功に繋がりました」と砂原さんは言います。
最後に:あなたもできる!海外代理店との成功をつかみ取るために
砂原さんの経験から学んだことは、信頼を築くための努力は、どんなに小さなものであっても欠かさず行うことです。特に異文化とのやり取りでは、相手の文化に寄り添う柔軟さが求められます。砂原さんのように、信頼関係を築くことができれば、必ず海外市場での成功を手に入れることができるでしょう。
現地の文化を理解した上で、一歩一歩着実に海外代理店とのパートナーシップを築いていくことができるはずです。最初は難しいかもしれませんが、諦めずに実行し続ければ、確実に結果が見えてきますよね!
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