「円安だから今がチャンスだ!」
「うちの商品、海外で売れるかも…」
そんな希望と勢いで初めての輸出・海外代理店探しに踏み出そうとしている中小企業の社長・海外営業担当の方へ。
たしかに、円安は日本製品にとって追い風です。しかし、その裏には知らなければ確実に損をする落とし穴がいくつも潜んでいます。
本記事では、「なるほど、これは他の人にも教えたい!」と思える、輸出に失敗しないためのポイントを、実例を交えながら徹底解説します。
2024年、円は1ドル=155円台を記録し、多くの企業が輸出で潤いました。
ところが、翌月に1ドル=140円台に戻ったことで、為替差損で赤字転落したケースも…。
👉 為替は「追い風」ではなく、「乱気流」。輸出戦略を為替任せにするのは危険です。
実例:
ある精密部品メーカーは、円安時に現地価格を据え置きで契約。翌年、円高に振れても価格は変えられず、利益率が半減しました。
対策:
為替予約(フォワード契約)の活用
契約書に「為替見直し条項」を設定
国内と海外の価格改定サイクルを分けて運用
円安で価格競争力が高まっても、現地で売れるとは限りません。
たとえば、同じ品質・価格でも、「ドイツ製」と「日本製」では、マーケティングやブランド認知で差が出ることもあります。
実例:
家庭用浄水器を輸出した企業は、「日本品質で価格も安い」と自信を持って販売。しかし、現地ではフィルター交換の頻度や取扱説明の不便さがネックとなり、売上が伸びず。
対策:
現地ニーズを調査して製品仕様を微調整
翻訳やローカライズ対応を徹底
「価格以外の価値」(安心、安全、実績など)を明確に訴求
「知人の紹介だから」「英語が通じるから」…
そんな理由で代理店を選んでいませんか?
代理店の失敗は、「見込み顧客に一生会えない」ということに直結します。
実例:
ある健康食品メーカーが現地の代理店に販売を委託。商談は順調だったが、実はその代理店は他社の競合製品を優先販売しており、実質的に棚ざらし状態に。
対策:
過去の実績や得意市場を明確にヒアリング
複数の代理店とテスト契約→成果を比較
海外展開に特化した代理店マッチングサービスの活用
👉 代理店選びに不安がある方は、海外代理店探しで失敗しないための5つのポイント|時間とコストを無駄にしない戦略的アプローチも参考になります。
「通関で止められた」「輸出書類の不備で納期遅延」
こんなミスは、信用失墜とコスト増に直結します。
実例:
農業機械を輸出した企業が、CEマークの取得を失念。ヨーロッパの港で足止めされ、追加費用で数十万円の損失に。
対策:
国ごとの輸入規制・表示義務を事前に確認
通関業者・貿易実務コンサルタントとの連携
「チェックリスト方式」で社内手順を明文化
輸出は「売る」だけでなく、「調査・手配・サポート・通関・回収」まで含めたプロジェクトです。片手間で担当させると、確実に回りません。
実例:
兼任で輸出業務を始めた製造業の担当者。問い合わせ対応や通関調整が追いつかず、受注したのにキャンセルされる事態に。
対策:
JETROや中小企業基盤整備機構の支援を活用
外部リソース(翻訳、通関、物流)と協力
スモールスタートで体制構築を優先
👉 社内リソースに不安がある場合は、海外展開、社内に専門家がいなくても大丈夫?外部リソースの上手な活用法も参考になります。
製品:特殊ねじ部品
対象国:ベトナム
手法:信頼できる代理店を紹介会社経由で選定
ポイント:
価格でなく「技術力」を売りに現地代理店と連携
試験販売で反応を見てから本格契約
為替ヘッジと段階的輸出でリスクを最小化
結果:初年度で年商3000万円を達成。2年目にはASEAN全体に拡大。
中小企業にとって、円安は確かにビッグチャンスです。
しかし、成功する企業と失敗する企業の差は、「勢い」ではなく準備と判断力です。
為替リスクを冷静に見極める
代理店は「数」ではなく「質」で選ぶ
実務のプロと連携してリソース不足を補う
こうした対策を取ることで、円安を「一過性の追い風」から「持続可能な成長の追い風」に変えることができるのです。
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