「本当にこの代理店、うちの商品を売る気あるのかな…?」 海外進出を目指す中小企業の社長・海外営業担当にとって、これはよくある不安です。...
海外実績ゼロから30カ国へ──食品設備メーカーが直販とコンテンツで築いた海外販路とは?
「最初は英語のサイトを1人で立ち上げただけ。でも気づけば世界中に製品が届くようになっていたんです」
海外経験ゼロの中堅食品設備メーカーが、なぜ数十カ国に販路を広げることができたのか?今回は、約20年間にわたり海外営業の最前線を担ってきたTさん(仮名)に、そのリアルな歩みを伺いました。
海外実績は“ゼロに近い状態”からのスタート
Tさんがメーカーに入社された当時、海外の実績は韓国と台湾でわずかに輸出された経験がある程度。もちろん、専任の海外営業担当などいませんでした。
「英語のサイトを作るところから始めました。社内でできる人間が私しかいなかったんです」
そこから徐々に引き合いが入り、直販での対応を中心に販路が拡大していきました。
現地の“当たり前”が、思わぬ壁に
しかし、拡大の過程では国ごとの規制や文化の違いに幾度となく直面します。
・関税とHSコードのトラップ
「お客様が知りたいのは“総コスト”なのに、国や担当官によってHSコードの解釈が違って…見積と実際の関税に差が出ることもあって、信頼を損ないかねない場面もありました」
・アメリカの“見えない壁”
「販売はできる。でも、レストランが保健所の審査を通す段階で“この設備はダメ”となることがあった。安全規格を満たさないと、そもそも営業許可が下りない」
開発チームとの連携も必要となり、投資対効果(ROI)の判断が常に求められました。
・ヨーロッパのCE取得の重さ
「CEマークを製品ごとに取得するには、翻訳、資料作成、開発変更が必要。でも、苦労して取得した製品が結局売れず赤字になることも…」
法人設立=成功とは限らない。現地チームの育成が最大の課題
アメリカ、ヨーロッパ、シンガポール、タイと現地法人も次々に立ち上げましたが、Tさんが「本当に難しかった」と語るのは「人材」です。
「法律、雇用、業務の明確化…日本のような“空気を読む”文化が通用しない。リモートでの管理も難しい。うまくいったチームもあれば、機能しなかったチームもあります」
コロナで売上ゼロ。それでも「過去最高売上」を更新できた理由
2019年以降、コロナ禍により主力の「出張→デモ→クロージング」の営業手法が封じられ、売上は一時ゼロに。
「でも、そこで“ライブ配信”に挑戦したんです。最初は30分のゆるい回。でも、毎週やって、2〜3ヶ月で問い合わせが増え始めて…1年後にはコロナ前の水準、2年後には過去最高売上に」
・ネタは「お客さんの質問」から
ライブ配信の継続が生んだ最大の成果は「信頼性の構築」でした。
「毎週やっているとネタが尽きる。そこでお客様の質問に答える形式にしたんです。回答も資産になりますし、動画を見てから問い合わせが来るのでクロージングが圧倒的に楽になりました」
海外販路拡大は「一発逆転」ではない。泥臭く、継続して、失敗から学ぶ
「海外展開って、最初は“これが正解”って誰もわからないんですよ。でも、小さく始めて、学んで、また試して。少しずつ信用が積み上がっていくものだと実感しています」
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