「海外展開に挑戦したいけど、貿易条件ってなんだか難しそう…」「FOBとかCIFとか、結局どれを選べばいいの?」そんなお悩みを抱える中小企業の経営者様、必見です!この記事では、国際貿易の共通言語ともいえる「インコタームズ2020」について、特に中小企業の皆様が押さえておくべきポイントを分かりやすく解説します。インコタームズを正しく理解し活用することは、海外取引におけるリスクを軽減し、コストを最適化するための第一歩。この記事を読めば、複雑に見える貿易条件もスッキリ整理でき、自信を持って海外ビジネスの一歩を踏み出せるようになるはずです!
海外の企業と商品を売買する際、国内取引とは異なる様々なルールや注意点がありますよね。特に、「商品の輸送中に発生する費用やリスクは、いつ、どこで、どちらが負担するのか?」という問題は、後々のトラブルを避けるためにも非常に重要です。この「誰が何をどこまで負担するのか」という国際的なルールを定めたものが「インコタームズ」です。国際商業会議所(ICC)が策定しており、最新版は「インコタームズ2020」と呼ばれています。
私たち中小企業にとっては、法務の専門家を常に頼れるわけではありません。だからこそ、世界共通の基準であるインコタームズを理解しておくことは、海外の取引先との無用な誤解や紛争を防ぎ、スムーズな取引を実現するための強力な武器となるのです。適切なインコタームズを選択することは、リスク管理の質を高め、海外事業の持続可能性にも繋がります。
インコタームズを理解する上で大切なのは、「何を決めてくれて、何を決めてくれないのか」を把握することです。
インコタームズが定める主な範囲
インコタームズが定めない主な範囲
特に注意したいのが、「所有権の移転」はインコタームズでは決まらないという点です。 万が一、買主が支払い前に倒産してしまった場合、インコタームズで危険負担が買主に移っていても、所有権が移っていなければ商品の回収が難しくなるケースも。インコタームズだけに頼らず、売買契約書全体でしっかりと取り決めを行うことが、私たち中小企業を守るためには不可欠です。
インコタームズ2020には、全部で11の規則があります。これらは輸送手段によって大きく2つのグループに分けられます。
さらに、これらの規則は売主と買主の負担範囲を示すアルファベット(E, F, C, D)でグループ分けすることもできます。
例えば、航空貨物なのに海上輸送向けのFOBを選択してしまうといった誤用は、思わぬトラブルの原因になります。 各グループの特徴を掴むことが、適切な規則選びの第一歩です。
ここでは、中小企業の皆様に特に関わりの深い主要なインコタームズについて、そのポイントと活用アドバイスを解説します。それぞれの条件で「危険負担」と「費用負担」がどこで切り替わるのか、イメージしながら読み進めてみてください。
海上輸送で伝統的によく使われるFOBとCIF。私たち中小企業は、どちらを選べばより有利に取引を進められるのでしょうか?それぞれの特徴と、メリット・デメリットを比較してみましょう。
FOBは「Free On Board」の略で、売主は指定された船積港で、買主が手配した本船の船上に商品を置いた時点で責任(危険負担)が買主に移転します。 売主は輸出通関までを行います。
注意点: FOBはコンテナ船による輸送の場合、貨物がコンテナヤード(CY)で運送人に引き渡された時点で実質的な管理が運送人に移ることが多く、危険移転のタイミングが曖昧になることがあります。コンテナ輸送の場合はFCAの方がより実態に合致することが多いと言われています。
CIFは「Cost, Insurance and Freight」の略で、売主はFOBと同様に本船の船上に商品を置いた時点で危険負担は買主に移転しますが、仕向港までの運賃と海上保険料を売主が負担します。 ただし、売主が手配する保険は最低限のカバー(ICC(C)など)であることが一般的です。
注意点: CIFも海上輸送専用のルールです。危険は費用負担と異なり、船積港で買主に移転することをしっかり理解しましょう。買主は、売主が付保する保険内容を確認し、必要であれば追加で保険を手配することを検討すべきです。
インコタームズは貿易実務の変化に合わせて改訂されます。2020年版では、私たち中小企業にも関わるいくつかの重要な変更がありました。
インコタームズ2010のDAT(ターミナル持込渡し)がなくなり、DPU(荷卸込持込渡し)が新設されました。 これにより、売主は「ターミナル」だけでなく、指定された仕向地の「あらゆる場所」で荷卸しをして商品を引き渡せるようになりました。売主は荷卸しの責任(費用と危険)を負います。
中小企業の売主様は、荷卸し場所の特性を把握し、コストとリスクを管理する必要性が増します。買主様にとっては、荷卸しが売主責任であることが明確になるメリットがあります。
インコタームズ2020では、CIP条件で売主が付保する保険が、原則としてより手厚いICC(A)(オールリスクに近い補償)になりました(CIFは最低限のICC(C)のまま)。
中小企業の売主様にとっては保険料が増加する可能性があり、価格への転嫁も考慮が必要です。 買主様にとっては、デフォルトでより包括的な保護が受けられるようになります。
FCA条件で、当事者が合意すれば、買主が運送人に対し、船積証明(On-board B/L)が付記された船荷証券を売主に発行するよう指示できる規定が追加されました。 これは特に信用状(L/C)取引で求められることが多く、コンテナ輸送でFCAを利用する売主様にとって実務上の利便性が向上します。私たちLeapのお客様でも、L/C取引を活用される企業様がいらっしゃいますので、これは嬉しい変更点ですね。
これらの変更点を把握し、常に最新の情報で対応することが、スムーズな海外取引には不可欠です。
最適なインコタームズを選ぶことは、海外取引の成否を左右する重要な戦略です。では、何を基準に選べば良いのでしょうか?
まずは、以下の点を整理してみましょう。
これらの要素を総合的に分析し、自社にとって何が最も重要か(コスト削減か、リスク回避か、手続きの簡便さか)を見極めることが大切です。弊社Leapのプラットフォームでは、過去の代理店との契約条件なども記録・管理できるため、こうした戦略的意思決定にも役立てていただけます。
国際貿易には、輸送中の貨物損傷、遅延、通関トラブルなど様々なリスクが伴います。インコタームズは、これらのリスクを誰がどの時点で負うのかを明確にします。
例えば、輸入通関はDDP以外では通常買主責任です。 自社が輸入通関に慣れていない場合や、相手国での手続きが煩雑な場合は、そのリスクを考慮した条件選択が必要です。また、貨物保険の手配も忘れてはいけません。特にC条件(CIF/CIP)で買主となる場合は、売主手配の保険内容を必ず確認しましょう。
商品代金だけでなく、運賃、保険料、通関費用などを含めた「総コスト」で比較検討することが重要です。
EXWやFCA、FOBといった条件では、買主が主要な運送費用をコントロールできます。 物流に強いフォワーダーと提携できれば、売主提示の運賃込み価格(CIFなど)よりもコストを抑えられる可能性があります。
価格交渉の際は、提示価格がどのインコタームズに基づいているのかを必ず確認し、複数の条件で見積もりを取るのも有効です。
Q1. インコタームズで一番気をつけるべきことは何ですか?
A1. 最も重要なのは、「危険負担の移転時点」と「費用負担の範囲」を正確に理解し、両者を混同しないことです。特にC条件(CIF、CFR、CPT、CIP)では、売主が仕向地までの運賃を負担しますが、輸送中の危険は輸出地の船積時や最初の運送人への引渡し時に買主に移転します。 この点を誤解すると、万が一事故が起きた際に適切な対応が取れなくなる可能性があります。
Q2. 海外取引が初めての中小企業ですが、どのインコタームズを選べばいいですか?
A2. 一概に「これがベスト」とは言えませんが、一般的に売主様であればEXW(工場渡し)やFCA(運送人渡し)は負担が比較的軽いです。買主様であれば、DAP(仕向地持込渡し)やDDP(関税込持込渡し)は輸入手続きの負担が少ないでしょう。 しかし、最も大切なのは自社の状況、相手との関係性、リスク許容度を総合的に判断することです。弊社Leapのような海外展開支援プラットフォームを活用し、専門家のアドバイスも参考にしながら、最適な条件を見つけていくことをお勧めします。
Q3. 契約書にインコタームズの記載を間違えたり、曖昧だったりするとどうなりますか?
A3. インコタームズの記載が不正確だったり、バージョン(例:Incoterms® 2020)が明記されていなかったりすると、費用負担や危険負担の範囲について取引相手との間で解釈の食い違いが生じ、紛争の原因となることがあります。 例えば、「FOB Japan」のような曖昧な記載では、日本のどの港なのか特定できず、トラブルに発展しかねません。 予期せぬコストが発生したり、最悪の場合、取引が頓挫してしまうリスクも。契約書の作成は慎重に行い、専門家のチェックを受けることも検討しましょう。
インコタームズは、一見複雑に思えるかもしれませんが、海外取引における共通言語であり、私たち中小企業がグローバル市場で戦うための強力なツールです。それぞれの規則が持つ意味を正しく理解し、自社の戦略に合わせて賢く選択することで、リスクをコントロールし、コストを最適化し、ひいては海外ビジネスの成功確率を高めることができます。
特に、海外代理店を通じた販路開拓では、契約条件の明確化が信頼関係構築の第一歩。インコタームズの知識は、その交渉を有利に進める上でも欠かせません。
「とはいえ、専門知識も時間もないし、やっぱり不安…」
そんな経営者様のお声もよく耳にします。株式会社Leapは、まさにそうした中小企業の皆様のために生まれました。弊社が提供するSaaSプラットフォームは、海外代理店営業の初期段階であるリスト作成、交渉、そして「契約」から、契約後のパフォーマンス管理、資料共有、さらにはAIによる戦略提案まで、あらゆるフェーズを一気通貫でサポートします。
インコタームズの理解を深め、それを実際の契約に活かしていくプロセスも、Leapのプラットフォームが強力にバックアップ。煩雑な情報管理から解放され、より戦略的な海外展開に注力できる環境をご提供します。
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