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初めての海外代理店との面談・商談で失敗しないための準備と進め方
海外市場に進出する際、信頼できる代理店を見つけることは極めて重要です。しかし、初めての海外代理店との面談や商談は、多くの不安や課題を伴います。この記事では、実際に海外代理店営業を経験した岡本さんのインタビューをもとに、成功するための準備と進め方を解説します。
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岡本 比呂志 さん
グローバルメーカー企業で海外法人営業25年を務めた。出張国は48に及び、海外在住も9年経験。
1. 代理店との初回面談・商談に向けた準備
① 事前リサーチを徹底する
代理店候補の企業情報をしっかり調査しましょう。具体的には以下の点を確認すると役立ちます。
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取扱製品と市場でのシェア
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競合代理店との違い
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過去の取引実績や評判
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経営者やキーパーソンの経歴
岡本さんが担当した工業用研削砥石の業界では、日本国内のシェアでは60%を占める企業で、海外にも50カ国ほどに販売していました。国ごとに販売網や市場の成熟度が異なっていたため、特に各国の流通構造を把握することが重要だったそうです。
② アプローチ方法を工夫する
岡本さんが営業を担当していた当時は、インターネットが普及しておらず、Jetroの国別イエローページや商業用ディレクトリを活用し、FAXや電信(テレックス)を使って代理店にコンタクトを取っていました。返信率は3%程度と低かったため、返信率を上げる工夫として、
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最新のカタログを同封する
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「唯一の商品」「最新技術」「業界に貢献できる製品」などのアトラクティブな表現を盛り込む
などの戦略を取っていたそうです。現代では、メールやLinkedInなどのデジタルツールを活用しつつ、同じように代理店の関心を引く内容を意識するとよいでしょう。
③ 面談前にネクストアクションを決める
返信を受け取ったら、商談の目的を明確にし、次のステップを確認します。
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相手は自社製品にどれほど興味を持っているのか
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代理店契約を前提とするのか、それともテストマーケティングを行うのか
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現地訪問を行うべきタイミングなのか
岡本さんは、3社以上の面談が確定するまでは現地に渡航しなかったそうです。携帯電話が普及していなかった時代には、空港での待ち合わせに失敗し、相手と会えないことも多かったため、無駄な出張を避けるための工夫でした。
2. 面談・商談の進め方
① 現地でのトラブルを想定しておく
岡本さんの経験では、
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代理店担当者と空港で待ち合わせをしていたが、見つからず空振りに終わった
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予約したホテルが満室で、やむを得ず郊外のラブホテルに宿泊した(コロンビアでの出来事)
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トリニダード・トバゴ訪問時、たまたまサッカーワールドカップへの初出場が決まったというお祝いムード全開の時で、到着翌日に突然の大統領令で祝日となり、3日間観光に付き合うことになった
このようなトラブルがあったようです。事前にバックアッププランを用意し、代理店担当者と連絡手段を確認しておきましょう。
② 初回注文の確度を高める
商談時には、すぐに取引につながる可能性が高い代理店を優先してアプローチしましょう。そのためには、
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事前にサンプルを送付し、興味度を確認する
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商談の際に、代理店がどのように販売するか具体的に話し合う
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価格や支払い条件を明確にし、双方の期待値を調整する
岡本さんの経験では、初回注文の確度が高い代理店を見極めるために、商談前に相手の反応を分析し、確度の低い相手とは深入りしないようにしていたそうです。
③ 文化の違いを理解する
中南米のビジネスシーンでは時間にルーズな傾向があるため、待ち時間が長くなることもあります。一方で、親しくなると非常に協力的になるため、柔軟な対応が求められます。
岡本さんも「ベネズエラでは1時間遅れは当たり前。最初は驚いたが、慣れればそこまで問題ではなかった」と語っていました。
3. まとめ:海外代理店との商談成功のために
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代理店候補のリサーチを徹底し、興味を引くアプローチを工夫する
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商談前にネクストアクションを整理し、確度の高い相手を優先する
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現地でのトラブルを想定し、柔軟な対応力を持つ
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文化の違いを理解し、適応する姿勢を持つ
海外代理店営業は、事前準備と適応力が鍵となります。今回の岡本さんのインタビューをもとに、海外販路開拓に役立ててみてくださいね。
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