日本市場が縮小する中、多くの中小企業が海外展開を模索しています。しかし、「どこから始めればいいのか?」「本当に成功できるのか?」と不安を感じる企業も少なくありません。
【デスクリサーチ】海外市場調査は高くない!無料情報で8割完結させる方法
【1分で解説!】この記事でわかる!海外デスクリサーチ完全攻略法💡
「海外市場調査って、高額な専門業者に頼まないと難しいんでしょ…?」そんな風に思っていませんか?実は、無料でアクセスできる情報源や分析手法を上手に活用すれば、デスクリサーチだけで市場調査の約8割を完了させることも夢ではありません。この記事では、海外市場調査の基本となるデスクリサーチの進め方、無料で使える情報源、具体的な分析手法、そして陥りがちな失敗例とその回避策まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。東南アジア・東アジア主要6カ国の比較表もご用意しましたので、具体的な進出先検討のヒントにしてくださいね。この記事を読めば、あなたもコストを抑えつつ、効果的な海外市場調査の第一歩を踏み出せるはずです!
なぜ今、海外市場調査でデスクリサーチが重要なのか?🔍
海外進出は多くの企業にとって大きな成長機会ですが、同時に未知の市場への挑戦はリスクも伴います。そこで重要になるのが、事前の市場調査です。特に「デスクリサーチ」は、公開されている情報を活用して行う調査で、本格的な現地調査の前に、低コストかつ迅速に市場の全体像を把握する上で非常に有効な手段と言えるでしょう。
デスクリサーチとは?~基本のキ~
デスクリサーチとは、その名の通り「机の上でできる調査」のこと。具体的には、インターネット、業界レポート、統計データ、ニュース記事、学術論文など、既に公開されている情報(二次情報)を収集・分析する手法を指します。 海外進出を検討する初期段階で、市場の魅力度を測ったり、自社の製品やサービスが受け入れられる可能性を探ったりするための基礎情報を集めることを目的とします。 わざわざ現地に赴いたり、高額な調査会社に依頼したりする前に、手軽に始められるのが大きなメリットです。
低コストで大きな効果!デスクリサーチの費用対効果
海外市場調査と聞くと、多額の費用がかかるイメージがあるかもしれません。しかし、デスクリサーチであれば、交通費や現地での調査費用が発生しないため、コストを大幅に抑えながら広範な情報を収集できます。 収集した情報をもとに市場のポテンシャルを測り、本格的な調査が必要かどうか、どの分野を深掘りすべきかといった判断ができるため、無駄な投資を避けることにも繋がります。これは、特にリソースが限られる中小企業にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
デスクリサーチの限界と注意点~落とし穴を避けるために~
手軽で便利なデスクリサーチですが、万能ではありません。例えば、インターネット上の情報は玉石混交で、情報の信頼性を見極める目が必要です。 また、言語の壁や文化的な背景の違いから、情報を正しく理解するのが難しい場合もあります。 特に東南アジアなどの一部地域では、オンラインで得られる情報が限られていたり、データの精度が低かったりすることもあるので注意が必要です。 こうした限界を理解し、後述するクロスチェックなどで情報の精度を高める工夫が求められます。
デスクリサーチ実践!準備から情報収集、分析まで🗺️
さて、ここからはデスクリサーチを実際にどのように進めていくのか、具体的なステップを見ていきましょう。やみくもに情報を集めるのではなく、しっかりとした準備と正しい手順が成功の鍵を握ります。
STEP1:調査目的を明確にする~何を知りたいのか?~
まず最初にやるべきことは、「何のために調査をするのか」「何を知りたいのか」という目的を明確にすることです。 例えば、「自社製品XはA国で売れる可能性があるか?」「B国に進出する場合の競合はどこか?」といった具体的な問いを立てることで、収集すべき情報や分析の方向性が定まります。目的が曖昧なままでは、情報の海に溺れてしまいかねません。弊社Leapのお客様でも、この初期設定を丁寧に行うことで、その後の調査がスムーズに進んだケースが多く見られます。
STEP2:無料・有料の情報源をリストアップ!~どこで情報を探す?~
調査目的が明確になったら、次に情報源をリストアップします。驚くかもしれませんが、海外市場調査に役立つ情報は、無料でアクセスできるものが数多く存在します。
各国の政府統計局や、世界銀行(World Bank)、国際通貨基金(IMF)、国連(UN)などの国際機関は、経済指標、人口動態、貿易統計など、信頼性の高いマクロデータを無料で公開しています。 例えば、ジェトロ(日本貿易振興機構)のウェブサイトでは、国別の基本情報やビジネス慣行、法制度に関するレポートが充実しており、海外進出初心者の方には特におすすめの情報源です。これらの情報は、市場の全体像を掴む上で非常に役立ちます。
特定の業界動向や最新のビジネストレンドを知りたい場合は、民間の調査会社が発行する業界レポート(一部無料公開されているものもあります)や、各国の主要な経済ニュースサイトが参考になります。 例えば、食品業界であれば現地の食文化や人気のレストラン、IT業界であれば最新技術の導入状況やスタートアップ企業の動向などをチェックしてみましょう。SNSも、消費者のリアルな声を拾う上で有効な情報源となり得ます。
STEP3:情報を整理・分析する~PESTEL分析やSWOT分析を活用~
集めた情報は、そのままではただのデータの羅列です。そこから意味のある洞察を得るためには、フレームワークを活用した分析が不可欠です。
PESTEL分析は、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)、環境(Environmental)、法律(Legal)という6つの観点から、自社を取り巻く外部環境を分析する手法です。 例えば、進出候補国の政治的安定性、経済成長率、消費者のライフスタイルの変化、技術革新のスピード、環境規制の厳しさ、法制度の整備状況などを整理することで、ビジネスチャンスや潜在的なリスクを多角的に把握できます。
SWOT分析は、自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理し、事業戦略を立案するためのフレームワークです。 PESTEL分析で明らかになった外部環境の「機会」と「脅威」を踏まえつつ、自社の内部環境である「強み」をどう活かし、「弱み」をどう克服していくかを検討します。これにより、より具体的で実行可能な戦略が見えてくるでしょう。
STEP4:市場規模を推定する~どのくらいのパイがあるのか?~
新しい市場への参入を検討する上で、その市場規模を把握することは非常に重要です。 市場規模の推定には、大きく分けて「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の2つの方法があります。
トップダウンアプローチは、国全体のGDPや業界全体の市場規模など、大きなデータからスタートし、徐々に自社のターゲット市場へと絞り込んでいく方法です。 一方、ボトムアップアプローチは、顧客単価や想定販売数量、ターゲット顧客数など、より具体的な数値から積み上げて市場規模を算出する方法です。 両方のアプローチを組み合わせることで、より精度の高い市場規模の推定が可能になります。 例えば、ある日本の化粧品メーカー様がアジア市場への進出を検討された際、まずアジア全体の化粧品市場規模を把握し(トップダウン)、次にターゲットとする年齢層の人口や年間化粧品購入額から市場規模を試算(ボトムアップ)、その上で進出の是非を判断されました。
【事例紹介】東南アジア・東アジア主要6カ国の市場比較🛣️
ここでは、海外進出先として人気の高い東南アジア・東アジアの主要6カ国(インドネシア、ベトナム、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン)について、人口、GDP、主要産業などの基本情報を比較表にまとめました(株式会社Leapの独自調査)。これらの情報は、デスクリサーチで得られるマクロデータの一例として参考にしてください。
国名 |
人口(2023年) |
GDP(名目、2023年、10億USドル) |
GDP成長率(2023年) |
主要産業 |
経済トレンドと特記事項 |
インドネシア |
2億8,119万人 |
1,371.17 |
5.0% |
製造業(自動車、飲食品)、農林水産業(パーム油、ゴム)、鉱業(LNG、石炭)、サービス業、デジタル産業 |
ASEAN最大の経済規模と人口。民間消費とデジタル産業が成長牽引。資源経済からの脱却を目指し、EVバッテリー分野への投資が加速。 IMFは2025年の成長率を4.7%に下方修正。 |
ベトナム |
1億352万人 |
429.72 |
5.0% |
製造業(繊維、電子機器)、IT、観光、物流、建設、農業、教育、日用消費財 |
政治的安定性が高く、識字率も高い。労働力が豊富で、製造拠点として有望。中間層の拡大に伴い消費市場としても注目。再生可能エネルギー、ハイテク農業、スマートシティへの投資が活発。 IMFは2025年の成長率を5.2%に予測。 |
マレーシア |
3,512.6万人 |
399.71 |
3.6% |
製造業(電気・電子、自動車、石油化学)、サービス業(金融、IT、観光)、農業(パーム油、天然ゴム) |
ASEANで一人当たりGDPがシンガポール、ブルネイに次いで3番目に高い。 若年層の労働力が豊富。製造業、情報技術分野への政府支援が手厚い。内需拡大も顕著。 IMFは2025年の成長率を4.1%に下方修正。 |
シンガポール |
591.7万人 |
501.43 |
1.1% |
金融サービス、高度製造業(半導体、精密機器)、石油化学、エレクトロニクス、観光、医薬品・医療機器 |
世界有数の富裕国。アジア有数の金融センターであり、地域統括拠点の集積地。デジタル変革とスマートネーション戦略を推進。持続可能な経済、グリーンエコノミーに注力。 IMFは2025年の成長率を1.7%に下方修正。 |
タイ |
7,170.2万人 |
514.97 |
1.9% |
観光業、製造業(自動車、電子機器、食品加工)、農業、金融サービス、再生可能エネルギー |
輸出依存度が高い経済。観光業がGDPの約20%を占める。政府は「タイランド4.0」政策を推進し、高技術産業への移行を目指す。デジタル産業、AI、EV、医療サービスに注力。 IMFは2025年の成長率を1.8%に下方修正。 |
フィリピン |
1億1,489.1万人 |
437.15 |
5.5% |
サービス業(BPO)、観光業、建設業、IT、農業、アパレル製造業 |
若い労働力が豊富で、英語が公用語。経済はサービス業、特にBPO産業が牽引。都市化が進み、インフラ改善が活発。バイオテクノロジーや製薬業界に多くの機会。 IMFは2025年の成長率を5.5%に予測。 |
※上記データは株式会社Leapが調査した、主に2023年または2024年の最新推定値に基づいています。
これらの国々は、それぞれ異なる市場特性や経済トレンドを持っています。例えば、インドネシアはASEAN最大の人口を抱え、巨大な内需が魅力です。 一方、シンガポールはアジアの金融ハブとしての地位を確立しており、高度な技術力を持つ企業が集積しています。 自社の製品やサービスの特性、ターゲットとする顧客層などを考慮し、どの国が最も適しているかを見極めることが重要です。
デスクリサーチの失敗あるあると、それを避ける秘訣💡
デスクリサーチは強力なツールですが、やり方を間違えると期待した成果が得られないことも。ここでは、よくある失敗例と、それを回避するためのポイントをご紹介します。
よくある失敗例
- 情報の鵜呑み: インターネットで見つけた情報を検証せずに信じてしまい、誤った意思決定をしてしまう。
- 「木を見て森を見ず」: 特定の情報に固執するあまり、市場全体の大きな流れを見失ってしまう。
- 目的の形骸化: 調査を進めるうちに当初の目的を忘れ、情報収集そのものが目的になってしまう。
- 「翻訳」で満足: 現地語の情報を単に日本語に翻訳しただけで、文化的な背景やニュアンスを理解したつもりになってしまう。
- 希望的観測: 「こうあってほしい」という思い込みが先行し、都合の良い情報ばかりを集めたり、データを自社に有利なように解釈したりしてしまう。
失敗を回避する3つの鉄則
- クロスチェックの徹底: 1つの情報源だけでなく、必ず複数の情報源(できれば異なる種類の情報源)で同じ情報が見つかるかを確認しましょう。 情報の発信元(政府機関か、民間企業か、個人ブログか等)や情報の鮮度(いつ更新された情報か)も重要なチェックポイントです。
- 現地専門家の活用: 言葉の壁や文化的なギャップを埋めるためには、現地の事情に詳しい専門家やコンサルタントの意見を聞くのが有効です。 彼らは、デスクリサーチだけでは得られない「生の情報」や「暗黙知」を提供してくれることがあります。
- 客観性の維持: 調査結果を分析・解釈する際は、常に客観的な視点を持ち、自社の思い込みや希望的観測を排除するよう努めましょう。 第三者の意見を聞くのも良い方法です。
【FAQ】海外デスクリサーチ、ここが知りたい!🤔
Q1. デスクリサーチだけで、本当に海外市場調査は十分なのでしょうか?
A1. デスクリサーチは、海外市場調査の初期段階において非常に有効な手段であり、市場の全体像把握や初期仮説の構築には十分役立ちます。 しかし、より詳細な顧客ニーズの把握や、現地のリアルな情報を得るためには、アンケート調査やインタビューといった一次調査(現地調査)が必要になる場合もあります。デスクリサーチで得られた情報をもとに、追加調査の必要性や内容を判断するのが良いでしょう。
Q2. 英語が苦手なのですが、海外の情報を集めるのは難しいですか?
A2. 確かに、海外の情報は英語で発信されていることが多いです。しかし、最近では精度の高い翻訳ツールも多くありますし、ジェトロのように日本語で豊富な情報を提供している機関もあります。 また、図やグラフ、統計データなどは言語の壁を越えて理解しやすい情報も多いです。まずはアクセスしやすい情報から始めてみましょう。必要に応じて、翻訳サービスや語学堪能なスタッフの協力を得るのも一案です。
Q3. 集めた情報をどのように報告書にまとめれば良いですか?
A3. 効果的な報告書は、調査目的、調査方法、調査結果、そして分析・考察、具体的な提言といった要素で構成されます。 特に重要なのは、データに基づいて客観的に分析し、読み手(経営層など)が意思決定しやすいように、具体的で実行可能な提言を盛り込むことです。 グラフや表を効果的に使い、視覚的に分かりやすくまとめることも心がけましょう。
まとめ:デスクリサーチを制する者が海外進出を制す!次の一歩へ
今回は、海外市場調査の第一歩となるデスクリサーチについて、その重要性から具体的な進め方、情報源、分析手法、そして失敗回避のポイントまでを解説しました。高額な費用をかけなくても、無料でアクセスできる情報を駆使し、正しい手順で分析を行えば、海外市場の姿が驚くほどクリアに見えてくるはずです。
この記事でご紹介した内容は、あくまで基本的な進め方です。しかし、この基本をしっかりと押さえることが、海外進出成功への確かな一歩となるでしょう。
「もっと具体的に、自社の場合はどう進めたらいいんだろう?」
「代理店探しや契約交渉のノウハウも知りたいな…」
もし、そう感じられたなら、ぜひ一度、私たち株式会社Leapにご相談ください。弊社が提供するSaaSプラットフォームは、海外代理店リストの作成から交渉、契約、さらには契約後のマネジメントまで、海外販路開拓の全フェーズを一気通貫でサポートします。デスクリサーチで得た情報を元に、次の具体的なアクションへスムーズに移行するためのお手伝いをさせていただきます!
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